【Nidhogg 2】 レビュー・評価

『Nidhogg 2』は前作の素晴らしいメカニックを強化しているし、近年で最も優れたサウンドトラックを有している。ソロ・プレーヤー向けのコンテンツには乏しいものの、仲良く対戦できる友達がいるなら、『Nidhogg 2』のない夜など考えられないはずだ。

『Nidhogg 2』は、気付くと数時間が過ぎ去っているが、それが全く気にならないゲームだ。敷居を限りなく下げながらも、緊迫した戦いと笑いを提供してくれるゲームはそう多くない。シンプルな操作性に騙されてはいけない。特に、同じレベルのプレーヤーと繰り返し対戦すると、極めて多種多様な戦略が生まれるのである。ユーモアは愉快で、時折キモイが、カトゥーン風のスタイルがチャンバラと見事に溶け合っている。

シリーズ初心者から新たな試練を求めるベテランまでをも夢中にさせる、ユニークで極めて巧妙なゲームである。ブロードバンド以前のローカル協力プレーの思い出を心に抱いている人間にとっては必須のゲームであり、30分だけでも朝の4時まででも軽くプレーできてしまう、最高のオンライン体験である。

ぶっ飛んだアートワークはともかく、『Nidhogg 2』は前作に極めて酷似している。武器を増やすことでゲームプレーを強化しようという試みは、成功を収めている。既存ファンは、新たな武器を習得する過程で、新たな戦略を身に付けることになるだろう。そのせいで手軽さは薄まってしまったものの、それも僅かである。結局のところ、前作のような大傑作の続編として、本作は唯一のアプローチに見える。マッチは前作と同じくらい緊迫感があり爆笑を誘う。プレーヤー間でのシーソー・ゲームこそ、この続編が失ってはならなかった要素だ。明白な変更が加えられているにもかかわらず、『Nidhogg 2』は前作の精神を生かしつつ、同じくらい楽しく仕上げることに成功している。

既に一流の対戦ゲームが装いも新たに再登場。革命ではないが、『Nidhogg』最高峰だ。

良い点: 
・中毒性のある瞬間的な戦闘
・極上の対戦プレー
・美しいピクセル・アート
悪い点: 
・基本的にチュートリアルに過ぎないシングルプレー前作が好きだった人にとって、この続編は同じくらい素晴らしい出来で、最高の新アート・スタイルと戦闘への嬉しい変更を備えている。

『Nidhogg 2』は、たまたま今年最も中毒性の高い体験となった、容赦なく奇妙な剣の綱引き、鋼鉄と血飛沫が繰り広げる魅力的で残酷なスペクタクルである。驚異的な前作のグレードアップ版でありつつも水増しを避けており、恐ろしくも愉快な新アート・スタイルでシンプルな魅力を維持している。

コンセプト: 前作のぶっ飛んだ楽しさを、新たな武器と刷新された見た目で進化させている
グラフィック: キャラクターとアニメーションがよりカトゥーンっぽくグロくなっており、新ステージは陽気かつグロテスク
サウンド: メローなシンセが落ち着いた背景を確立しているが、あまり印象には残らない
プレー性: 新たな武器と動作オプションのお陰で単なる見た目のグレードアップには陥っていないし、微調整が加えられた戦闘オプションは楽しい自己ルールを生み出している
エンターテイメント性: 友達とローカルでプレーすれば最高に楽しいが、新たなシングルプレーとオンライン・モードは期待したほど長くは楽しめないかも
リプレー性: 極めて高い改善されたソロで遊びたい人にとっては物足りないかもしれないが、『Nidhogg 2』はそもそもの魅力を壊すことなく、シンプルなフォーミュラに多層的な深みを加えている。新たな武器と動作は戦闘にすんなり溶け込んでおり、ダイナミズムと緊迫感を増している。シングルプレーは確かに薄っぺらだが、友達相手に腕試しがしたい人にとって、『Nidhogg 2』以上は望めないはずだ。

わずか数秒の間に発生する『Nidhogg 2』のアクションの密度は、友達と一緒に手に汗握りつつ爆笑しながら見たりプレーしたりできる2人対戦戦闘を生み出している。ビジュアル・スタイルは万人向けではないかもしれないが、それでもシャープでミニマリストな本作の決闘には、ソファー上での終わりなき対戦を可能にするだけの巧妙さとカオスがある。

グラフィック 9.0: グラフィックはムラがあるし、キャラクターは万人向けではないが、素晴らしいステージと背景アニメーションが補って余りある
音楽 9.0: 音楽は素晴らしい。様々なアーティストによるテクノ、アンビエント、ヒップホップが、ステージに完璧にマッチしている。単独でも喜んで聞きたいと思えるサウンドトラックだ
ゲームプレー 7.0: 前作よりも大幅に速度が落ちているが、読み合いも減っている。武器はバラエティ豊富だが、緊張感も奪っている
バランス 7.0: 激しい読み合いが繰り広げられるフェンシングの試合というよりも、大喧嘩だ。タイミング良くボタンを連打するだけで勝てることもあるだろう『Nidhogg 2』が前作よりもカジュアル寄りになったことは否定できず、それが前作の熱心なファンを遠ざけてしまうかもしれない。しかし、ランダム性の強いゲームプレーと奇妙なキャラクター・デザインを許容できれば、大いに楽しめるはずだ。これほど安価なら尚更である。

良い点: 
・楽しいマルチプレー対戦
・最高の音楽
・手軽にプレーできるゲームプレー
悪い点: 
・好き嫌いの分かれる新たなアート・スタイル
・退屈なシングルプレー体験新たなアート・スタイルは好き嫌いが分かれるだろうが、改善された戦闘とアニメーションによって、『Nidhogg 2』は友達を集めることができれば最高に楽しめるマルチプレーとなっている。しかし、シングルプレー・モードのアーケードは、すぐに魅力が消え失せてしまう。それでも、手軽にプレーできる新しいパーティ・ゲームを探しているなら、『Nidhogg 2』は最高のゲームになるはずだ。

良い点: 
・新ビジュアル
・手軽
・マルチプレー
悪い点: 
・大きな追加要素がない
・アーケード・モードビジュアル・スタイルは好き嫌いが大きく分かれるだろう。私はビジュアルを非常に楽しんだし、同じようなクレイ・アニメ風の奇抜なスタイルを採用したゲームが増えてくれたら嬉しい。だがゲームプレーは、良くも悪くも全く変わっていないように見える。背景、ビジュアル、サウンド、音楽以外に、前作との違いが全く分からないのである。通常、続編というのは少し変化を付けたりグレードアップするものだが、『Nidhogg 2』は無難に感じられる。見た目が違うだけの変わり映えのしないゲームなのである。新参者は心配無用だが、ファンは少し失望するかもしれない。それでもハチャメチャな楽しいゲームだし、前作とほぼ変わらないとしても、質の高さは輝いている。

良い点: 
・初心者でも手軽にプレーできる直観的で簡単な操作
・上手く行くと爽快で、失敗すると爆笑できる
・素晴らしいパーティ・ゲーム
悪い点: 
・バランスの悪い新武器が前作のシンプルさを減じている
・アップデートされたアート・スタイルのせいでアクションが見辛くなっている『Nidhogg 2』は、より豪華になってはいるものの、実際の中身はそれほどでもない。新たな武器と賑やかなアートはストレスの元になる可能性があり、全体的なクオリティを損ねているが、中核のゲームプレーは相変わらず輝いている。問題はあるものの、『Nidhogg 2』は壮観で魅惑的、笑えて悲劇的、そしてドラマチックであり、パーティ・ゲームの新たな定番になるのは間違いないだろう。『Nidhogg 2』は選択肢を増やしてシンプルさを犠牲にしており、その甲斐があったとはとても言えない。しかし、根底にあるアクションがこれほど素晴らしいと、ちょっとした不満も我慢できるのである。

良い点: 
・楽しい新武器
・ハチャメチャに楽しいローカル・プレー
・豊富なカスタマイズ性
悪い点: 
・不安定、もしくは破綻したオンライン・プレー
・無価値なシングルプレー前作をプレーし過ぎた私のような人間にとって、『Nidhogg 2』には失望させられた。前作同様、ローカルでプレーするのは楽しいが、前作の欠点を修正することはできていない。現在のオンライン・プレーは不安定か破綻しており、これは友達とプレーすることが前提のゲームにとっては打撃だろう。シングルプレーのアーケード・モードは楽しくなく、義務的に収録されたかのよう。前作よりも、パーティ・ゲームとしての魅力に欠けるのだ。前作が大好きだった理由を思い出させてくれる一瞬の輝きは健在なのだが、この続編はどうもしっくりこない。幾つかパッチが配信されれば、私のオンライン・ローテーションに加わるゲームになるかもしれないが、現時点では失望させられたままだ。

マペットみたいなキャラクター、新しい武器、刷新されたグラフィックだけを引っ提げて、『Nidhogg』が帰ってきた。