圧倒的な物量を誇るオープンワールド
本作最大の魅力は、広大なオープンワールドとクライムアクションによる行動範囲の広さにあります。
主人公は岩山や壁など、どこにでも貼り付いて登ることができるので、遠くに見える山の山頂やどんな断崖絶壁でも登って移動することができます。
砂漠や火山、雪山、浜辺など、ロケーションのバリエーションも豊か。
少し歩けば、湖や遺跡などちょっとした施設に遭遇するので、探索しているだけで日が暮れてしまうなんてこともザラでしょう。
さらに特筆したいのは、これだけのオープンワールド作品のわりにはロード時間が非常に速い。
最初のロードに30秒。リトライに10秒。と他のオープンワールド作品と比較すると快適です。
詰め込まれた膨大な遊びの数々
オープンワールドというと、空白のフィールドが目立ち薄味に感じることがあると思いますが、このゲームに詰め込まれている遊びの数は尋常じゃありません。
ミニダンジョンは120。主人公の強化要素を担う隠れ妖精はフィールド内に900。
その他にも素材集めやサブクエストがいくつも散りばめられており、全く退屈しません。
ミニダンジョンでは、ゼルダの伝説ならではのアイテムを使った謎解きアクションが楽しめます。
謎解きはコンパクトなものですが、ミニダンジョンそれぞれに新しいギミックが登場しており新鮮な気持ちで遊べるのが良いですね。
主人公のHP増加を担っているので、積極的に探して遊びたくなります。
それでいて、メインクエストでは大きなダンジョンや、強力なボス戦が用意されているので寄り道とは完全に差別化されていますね。
アイテムはフィールドの隠し要素を楽しむためや戦闘にも使用することができ、工夫次第で楽しみ方は無限に増えていきます。
攻略の自由度が高い
「攻略の順番」という意味でも、「攻略の方法」という意味でも自由度が非常に高いです。
チュートリアル後には、すぐにラスボスに挑むことも可能ですし、フラグが立つ行動をすれば、全てのメインクエストを進めることができます。
遊び方は本当に自由です。
そして、「攻略の方法」。
例えば、高い塔に登る場合。
塔を守っている敵を倒してから登ってもいいし、見つからないようにこっそり登ってもいい。
塔よりも高い場所を探して、滑空することで敵を全部無視しても良い。
一見セオリーがあるように見えるダンジョン攻略でさえ、知恵次第で自由な攻略が可能となっており、プレイヤーの数だけそれぞれの冒険があると言っても過言ではありません。
好奇心の大きさで面白さが変わる
謎解き系クエストや人探しクエストでは、町や村の住人に聞き込みをしてヒントをもらい自分の考えで動くという能動的な遊びが尊重されているため、人によってはそれを「面倒くさい」と吐き捨ててしまうかもしれません。
個人的には、人に聞き込みをして噂話をゲットしたり、行ったことのない場所へ足を運んで新しい発見に出会うことこそがこのゲームの醍醐味だと思っています。
好奇心に応えてくれるだけの無数の遊びが見つけられるを待っています。面白さを左右するのはプレイヤー次第。
オープンワールドに詰め込まれた小さい遊びの数々は尋常でない数なのですが、それに比べるとメインクエストの数が少なく、もっと歯応えのあるボス戦や攻略しがいのあるダンジョンが欲しかったなーとも感じます。
メインクエストで攻略するダンジョンは全部で5つしかありませんし、そのダンジョンもシリーズ作品に比べると1/5程度の大きさなのであっさりクリアできてしまって物足りない。
メインクエストだけを遊ぶとオープンワールドのほんの一部分しか訪れる必要がなく、もっといろんな場所を絡めて世界全域を冒険させてほしかったですね。
チュートリアル後は世界全域に行けるという自由度の高さが自慢ですが、その分序盤の難易度が非常に高くなっています。
序盤は主人公の防御力が低いので、敵の一撃を食らっただけでゲームオーバーになることが多々…。
こまめなオートセーブにより、直前からリトライが可能になっていますが、度重なるゲームオーバーにプレイヤーの心が折れてしまいそうになります。
操作はかなり複雑です。
まず「X」がジャンプボタンというのは、一般的ではないでしょう。(「Bボタン」に変更することができますが、そうするとダッシュが「Xボタン」になる)
武器・アイテムの切り替えや、戦闘アクションなどで2ボタンの同時操作が頻繁に必要になります。
咄嗟の判断が必要になるときに誤操作してしまうと、結構イラッとするんですよね。
慣れるまでかなり時間がかかりますし、序盤の難易度の高さと相まってゲームを始めてすぐは楽しめませんでした。
本作では武器に耐久があり、使い続けると壊れてしまいます。
私はケチな性分なので、このシステムのせいで敵と戦うのを避けてしまったり、強い武器を使うのを躊躇してしまったりと、楽しみに制限がかかってしまいました。
また、主人公の強化要素が強いのも特徴ですが、特定の敵からドロップする素材を集めなければいけなかったり、回復アイテムを生成するための熱心な採取が必要だったりと、所々で作業を要求され退屈に感じます。
終盤になると、特定の場所で特定の時間にしか出現しない敵がターゲットになってくるので、結構面倒な印象です。
仮にも、WiiU版に向けて開発されていたはずの本作。
2画面の利点を全く活かしておらず、冷遇っぷりがすごいです。
ゲームパッドには何も表示されず、実質1画面だけ。
せめて地図くらいは表示してほしかったです。ちなみに、タッチ操作も無効。
馬に名前を付ける時のキーボード操作くらい、タッチに対応しても良かったんじゃないでしょうか。
まとめ
恐ろしい物量を誇る超大作。
前作の発売から5年も待っただけの甲斐はある内容です。
詰め込まれた遊びの数々に、バリエーション豊かな攻略法、時間を忘れて広大なオープンワールドの冒険に没頭すること間違いなし!
完璧ではありませんが、同シリーズの名作「『~時のオカリナ』を超えた!」と胸を張って言える作品がやっと誕生してくれました。