《シュタインズゲート ゼロ》-レビュー・評価 外伝小説のストーリーを拡張した正統続編 

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POSITIVES

プレイヤーを退屈させない様々な仕込み
多数の新キャラクターが登場する魅力的なストーリー
ADV化&シナリオ追加で小説既読のユーザーでも満足

NEGATIVES

形骸化している「RINE」システム
旧作立ち絵の使い回しによる違和感

RATING
POINT

[1周目クリアまで8時間]
[全ストーリークリアまで20時間]
[前作プレイ推奨] [フルボイス]
[周回プレイ] [マルチエンディング]

A+
GRADE
FULL REVIEW

 β世界線の物語を描いた「シュタインズゲート」の正統続編、「シュタインズゲート ゼロ」をクリアしました。

数え切れないほどのスピンオフ・外伝作品が発売されてきた中で、唯一のナンバリングタイトルであり、正統続編を掲げる本作。正確には、過去に発行された外伝小説3部作にシナリオを追加した物となっており、牧瀬紅莉栖を救えなかったifストーリーが展開されていきます。

1度はトゥルーエンドを迎えた作品を掘り返すことになるため、蛇足感は否めないものの、フルボイスで描かれる新ストーリーは魅力抜群。シリーズファンとしてはもちろん、既に小説を既読のユーザーでも十分に満足のいく作品に仕上がっていました。

クライマックスから始まる新しいストーリー

シュタインズゲート ゼロ

いきなり山場から分岐する構成に説明などは一切なく、完全に前作をプレイしたユーザーだけをターゲットにしています。たとえプレイ済みでも、前作では詳細に触れられなかったβ世界線が舞台となるため、ブランクをおいてプレイすると、α世界線の記憶と混ざり合い、混乱する場面も多かった。

前作は複数の媒体で移植版・廉価版が発売されているので、必要であればプレイ前に復習おくことで、より楽しむことができます。初回生産版には「PS4版 シュタインズゲート HD」のダウンロード版が付属。PS4を持っている人なら未プレイでも通しで遊べるだけでなく、「シュタインズゲート ゼロ」の予習・復習にも活躍するうれしい特典です。

プレイヤーを退屈させない様々な変化と仕込み

シュタインズゲート ゼロ

作品の性質上、岡部の主観視点を外せなかった前作と違い、今作では様々なキャラクターの視点から物語は進行していきます。小説をベースにしていることもあって、他キャラクターの視点では会話以外でノベル形式を採用。今までとは違った雰囲気で作品を楽しむことができました。

舞台となる範囲も大きく広がっており、現代の秋葉原だけでなく、過去未来の様々な場面が交錯。ルートによっては予想も付かない展開が待ち受けているため、思わず『えっ!?』と漏らしてしまうような状況に突然放り込まれることもあって、プレイヤーを退屈させません。

大胆に分岐するシュタインズゲート ゼロの世界

シュタインズゲート ゼロ

シュタインズゲートに辿り着くため、複雑な選択肢から可能性を手繰り寄せる必要があったα世界線と違い、β世界線はかなりシンプルな構成になっています。分岐するポイントに気を付けていれば、迷うことなく順当にエンディングをコンプリートすることができるでしょう。代わりに、新システムである「RINE」が自発的な分岐点として機能していませんでした。分かりやすすぎるというのも考え物です。

一部のシーンで古い立ち絵を使い回している点は残念

シュタインズゲート ゼロ

ゲーム内では数か月しか経っていないとはいえ、現実世界では6年が経過。同じイラストレーターさんを起用しても、絵柄は大きく変化しています。そんな状態で新旧の立ち絵を同時に使用すると、かなりの違和感がありました。

ADVゲームとしては屈指の作品であり、正統続編と銘打って発売するからには、細かいところまで手を抜かないで欲しかったと感じるのは、決して高望みではないと思います。

さいごに

シュタインズゲート ゼロ

「正統続編」と聞いて、前作を覆してしまうような物語を期待すると肩透かしになるのですが、作品単独のストーリーは良く出来ており、高評価で楽しむことができました。飽くまで前作は前作、今作は今作として、ナンバリングタイトルにするほど注力された、新しいシュタインズゲートです。

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