《神獄塔 メアリスケルター》-レビュー・評価 調整不足が目立つ残念なDRPG 

POSITIVES

豊富な育成要素
完全フルボイスで展開するストーリー

NEGATIVES

全体的に重い挙動
歯応えの無いゲームバランス
多発するフリーズと目に付くバグ
広くて複雑なだけのダンジョン構成
不自然なほどに少ないアイテム所持枠

RATING
POINT

[ストーリークリアまで27時間]
[人を選ぶ] [育成要素] [謎解き要素]
[クリア後要素] [ストーリー分岐] [マルチエンディング]
[難易度選択] [フルボイス]

B
GRADE
FULL REVIEW

 謎解き×パニック×アクティブ3DダンジョンRPG「神獄塔 メアリスケルター」をクリアしました。

リアルタイムで進行するDRPGに、様々なシステムを詰め込んだ挑戦的な本作。ストーリーやコンセプトは面白かったものの、ゲームバランスやシステムが調整しきれておらず、不満とストレスを感じる部分が目立ちました。磨けば光りそうな手応えはあるのに、面白さにつながっていない残念な作品です。

全体的に重い挙動とテンポの悪いダンジョン探索

神獄塔 メアリスケルター

とにかく全てにおいて動きが鈍く、メニュー操作や移動を行うだけでもストレスが溜まります。加えて、戦闘中の演出早送りがON/OFFではなく、Rボタンを押している間しか作動しないため、かなり気長に遊べる人を除いて、戦闘中は常にRボタンを押してプレイする必要があったのはつらかったです。

探索するダンジョンの構成も今ひとつで、とにかく広くて複雑にすれば良いだろうという意図が見え隠れする内容でした。様々なギミックが用意されているものの、余り面白みもなく、頻繁に発生するボーナスルーレットにテンポを乱されながら、作業的にマップを埋めていくことになります。オートパイロット機能が用意されており、1度行った場所までなら自動で進める点が唯一の救いでした。

バトルシステムを台無しにしている残念なゲームバランス

神獄塔 メアリスケルター

敵を倒す際に血液が付着して、それが貯まると強制的にパワーアップか暴走する「血しぶきバトル」は、絶妙なスリルを備えた戦闘形式です。暴走を回避するために主人公の行動で浄化や、「舐める」コマンドで血を取り除くなど、ゲームシステム単体としては、とてもうまくできていました。

仲間が増えるまでは程よい難しさを楽しめたのですが、人数がそろってきたあたりで戦闘は形骸化してしまいます。どのキャラクターも全体攻撃スキルを備えており、先手を取れる構成で挑めば、敵のターンが回ってくる前に殲滅。主人公のターンすら回ってこない、一方的なバトルの繰り返しです。

敵から攻撃を受けない限りは暴走することもなく、パワーアップするとスキル使用に必要なSPが大きく回復するので、不意打ちを受けない限りはサイクルが崩れることはありません。その不意打ちすら、装備で簡単に防止できてしまうため、ノーマル難易度でもイージー相当に感じられました。

要素が豊富に見えてどれも奥深さがない育成要素

神獄塔 メアリスケルター

キャラクターごとに5種類以上の職業が用意されており、転職を繰り返すことで使えるスキルが増えていく職業変更。装備できるスキル数を増やすスキル枠拡張。レベルを減らすことでステータスやスキル取得ポイントにボーナスを得る血式退化。これだけ色々な要素がそろっているのに、育成が退屈と感じたゲームもすごいと思います。

ゲームバランスがイージー寄りということもあって、雑魚戦用の全体攻撃とボス戦用の強力単体攻撃があれば、他のスキルは不要というのが主な原因です。むしろ、スキルが増えると重い挙動の中で選択するのがストレスなので、できるだけ取得したくないと考えてしまうほどでした。もちろん、スキル枠拡張が必要だと感じたことは1度もありません。

血式退化は長期的に見れば魅力的ではあったものの、素材が大量に必要と言う問題があって、基本的には武器強化ばかり行っていました。そんな武器強化も、ベースとなる武具の入手経路がドロップかランダム遭遇の放浪商人のみという不安定な面があり、無駄に運頼みの要素になっています。

なお、育成に直接関係はないのですが、新しい仲間が加入したら、取りあえず手持ちのアイテムをプレゼントするだけで好感度MAXになるヒロインがちょろくて驚きでした。

膨大な種類のアイテムに対して所持枠35個の制限

神獄塔 メアリスケルター

回復アイテムを中心とした消費アイテムや、全21系統の装備アイテムなど、数え切れないほどの種類が用意されているアイテム。さらに、強化可能な装備アイテムは同種類でもスタックされない仕様の中、主人公が所持できる最大数が35個というのは、かなり厳しい制限でした。

敵からのドロップ、採取ポイントや宝箱と入手経路は豊富に用意されているため、35個の所持枠はあっという間に一杯になります。所持枠に空きがなければ、ドロップアイテムは取捨選択することもなく自動的に破棄される仕様となっており、常にアイテム整理を行わなければなりません。街へ帰還する理由の大半は、アイテム整理するためです。

また、所持枠は潰さないものの、重要アイテムの管理もかなり煩雑です。育成に必要な血晶は全12種類で互換性がないため、常に何かが足りない状態。重要アイテムであるはずの鍵は、全て「牢獄の鍵○○」と適当な名前が付けられており、手に入れた鍵がどの扉に対応しているのか不明確です。アイテム関係は全般的に何かの嫌がらせではないかと疑ってしまうレベルの遊びにくさでした。

頻発するフリーズや不信を感じさせるバグ・作り込み

神獄塔 メアリスケルター

覚えているだけでもフリーズとC2エラーが5回ほど発生。特に、フリーズは本体を強制的に再起動させなければ再開することもできないため、大きくモチベーションを落とす要因でした。ダンジョン内でも好きなタイミングでセーブできるとはいえ、数回起こった後は、怖くてことあるごとにセーブしていました。

また、細かいことですが、条件を達成しているのに行うことができない血式退化。血式退化後に転職を行うと、レベルアップ時にステータスが下がる謎の挙動。0距離で突然登場するボスモンスターなど、不信感を募らせてくれる細かいバグや、ゲーム内表記の不統一も多々見受けられました。

謎解き要素も組み込んだ完全フルボイスストーリー

神獄塔 メアリスケルター

所々に強引な設定はあったものの、興味を引く演出や展開が用意されていました。メイン・サブを併せて登場するキャラクター数が多く、全てのシーンにおいて、サブキャラに至るまで完全フルボイスという点も高評価です。

ネタバレになるため詳細は書けませんが、ジャンル名に含まれている「謎解き」は、ダンジョンのギミックだけでなくストーリーにも組み込まれています。かなり重要なイベントとなっており、予想外の演出と言うこともあって、本作における忘れられないイベントでした。

リンクしている「文庫版」と「前日譚」はチェック推奨

本作はクロスメディアコンテンツとして制作されており、ゲーム版の他に単行本の「文庫版」と電撃PlayStationで連載されていた「前日譚」が存在します。一応、各メディアだけでも楽しめるという触れ込みですが、読んでる前提で終盤まで関連しているため、可能ならチェックすることを推奨です。

ゲームの内容もわからないままに「文庫版」を買うのはハードルが高いですが、「前日譚」は公式サイトで全て読めるため、プレイする前に読んでおくと、よりゲームが楽しめます。ストーリーや雰囲気が伝わってくるため、購入を迷っている人も判断材料の1つとしても役にたつ内容です。

さいごに

基本的に不満点ばかりを挙げてしまいましたが、少し調整するだけで良くなりそうな部分ばかりなので、悪い作品というよりも調整不足の塊という印象です。不思議と途中で辞めたいという気持ちにはならなかったあたり、本当に惜しい作品だと感じました。

しばらくすれば、オンラインパッチで多くの不満点が修正される可能性も高いため、気になっている人は「前日譚」でストーリーが自分に合っているか確認しつつ、「文庫版」を読みながらパッチ配信を待つのが賢い選択かと思います。

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