瞬間的な選択が迫られるADV
5つのエピソードでウォーカー(ゾンビ)との攻防が描かれる『ウォーキング・デッド』。
ゲーム内容は、気になる箇所を調べて情報やアイテムを組み合わせる探索要素、キャラクターたちとの会話と選択肢で進んでいきます。
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『ウォーキングデッド』の特徴は、会話の選択肢を選ぶまでに制限時間があること。(けっこう短い)
じっくり考えている余裕はなくって、瞬間的な判断を迫られるため、
焦ってこの選択肢選んじゃったけど 違うの選べばよかったかなぁ…
と、選択後にモヤモヤするものはリアリティがあっていいですね!
会話は文字送りではなく、ノンストップのフルボイスで進行していくので、本当にドラマを見ているような感覚で楽しめます。
ウォーカーに襲われている真っ只中で無制限に時間があったら臨場感なんて感じられませんから、世界観にぴったりのシステムです。
誰を生かすかはプレイヤー次第 重みのあるストーリー
アドベンチャーゲームといえば、選択肢によって変化するストーリーが魅力ですが『ウォーキング・デッド』は設定上、選択肢の重みがちがいます。
時には10人を超える仲間とともに行動しますが、誰に食料を分け与えるか、誰の味方をするのか、誰を助けて誰を見捨てるかはプレイヤー次第。
究極の二者択一も、短い制限時間の中で瞬間的に判断しなければいけません。
プレイヤーの選択によって、その後のエピソードで残っている登場人物が変わってくるなど、「プレイヤーの選択」がしっかりとストーリーに反映されている実感が持てます。
これってアドベンチャーゲームをプレイする上で重要な要素ですよね。
混乱の中で両親と離れ離れになった少女「クレメンタイン」とのドラマが核になっており、ラストは感涙必至です。
良い子プレイはできない選択肢に求められる責任
究極の二者択一だけでなく、通常会話の選択肢にも「責任」が求められるのが面白いですね。
と、発言の矛盾を指摘されます。(不信感につながる)
わたしはどうしてもゲームでは良い子でいたいと思ってしまうのですが、究極のサバイバル下で中途半端な優しさは何の役にも立たないんですね。
自分が命を取りたくないと思ってした選択も、代わりに手を汚すことになるのは仲間。
派閥争いを避けて中立を保とうと思うと、「八方美人の何も決められないヤツ」になってしまう。
ゲームの中なんですが、自分の生き方を明確に示さないといけないので、ゲームを進めるうちにどんな人間像で進めていくかを確立していく感覚は新鮮で、面白いものがありました。
過激なホラー&バイオレンス
あくまで蚤の心臓を持つわたしの感想です。
暗闇から急にウォーカーが襲ってくるホラー要素と、頭を破壊しないと永遠に動き続けるという設定のバイオレンスは過激で究極のサバイバル体験ができます。
特にバイオレンス表現は常に付きまといますし、ゲームという性質上「目をそらす」ことができないので、映画やドラマを見るよりももっと刺激が強いです。
わたしは最初、怖くて画面から目を逸らしていたうちにゲームオーバーになってしまいました。(直前からリトライできます)
いつの間にッ!?
直視して危機と向き合わなければならないというのはつらいですが、世界観を考えると必須。
わたしは苦手でしたが、もちろんこれは『ウォーキング・デッド』を語るうえで長所になりますね。
ウォーカーのバイオレンス表現だけでなく、生きている人間の部位切断もあるので「痛い」表現は覚悟しておいた方が良いです。
日本語吹き替えなしが致命的
本作は、テキストによる文字送りではなく、フルボイスによるノンストップでの会話が繰り広げられます。
映画やドラマを見るようなテンポで物語を追えるので素晴らしいのですが、日本語吹き替えに対応しておらず、これは致命的だと思いました。
自分の行動を決めるためにも、しっかりと字幕を目で追っていると、ほとんど映像を見れていないんですね。
会話中に突然襲われるようなホラー要素があっても、映像を見ていませんから音にびっくりするくらいで、ホラー要素の魅力が半減してしまいます。
時には、字幕の会話文と「選択肢」が同時に表示されていることもあり、目で追いきれません。
文字の洪水状態…!
と、日本語吹き替えなしによる不便を感じていました。
善悪不明の主人公設定
主人公は犯罪者という設定で、その動機や細かい状況はあまり描写されません。
主人公が何色にでもなれる人間なら、自分の好きなように選択肢を選ぶんですが、「犯罪者」というブラック要素があると主人公の人間像がよくわからないんですよね。
- 誰に自分の正体を打ち明けるか
- 誰に過去の犯罪を隠すか
など、心理的戦略が生まれているので良い設定なのですが、自分が「良し」と思った選択肢が過去の犯罪歴によって歪曲されてしまうのはどうもモヤモヤしてました。
過去を責められても プレイヤーは知らないよ…
と。
なんなら、最初は記憶喪失で、徐々に自分の過去の犯罪が露呈してくるとかの方がゲームの入り口としては主人公に感情移入しやすかったかなぁ。
PCゲーム風のカーソルデザイン
気になる箇所を調べるときは画面内のカーソルをRスティックでグリグリと動かして、反応がある場所でボタンを押します。
家庭用ゲーム機では、主人公がオブジェクトに近寄ることで怪しい箇所を調べられるというのがスタンダードだと思っていたので、カーソルをぐるぐる動かすようなプレイはPS4に最適化されていないように感じました。
わたしはADV初心者なので、珍しくない操作方法なのかもしれませんが…。
PCと違って、カーソルの移動速度は一定で、気になる箇所にサッと照準を当てられないので、快適さには欠けたかな。
ホラー&バイオレンス初心者の視点
ホラー&バイオレンスが魅力のタイトルですが、どの程度なのか気になるところですね。
先にも書いた通り、ゲームという性質上見るに堪えないシーンでも目をそらすことはできません。
を複数回繰り返してようやくウォーカーを撃退できるので、しっかりとバイオレンスシーンを目に焼き付けることになります。
時には銃を使うこともありますが、斧やのこぎりなど、手に気持ち悪い感覚が伝わってくる武器が多いです。
絵画風のタッチなので、やや気持ち悪さは軽減されていますが、ウォーカー以外にも、生きている人間の部位欠損など痛くて痛くて気持ち悪い描写が満載なので、苦手な人は興味本位でもプレイしちゃダメなやつです!
まとめ
ドラマ『ウォーキング・デッド』が好きな方や、バイオレンス表現に耐性のある方は、命の重みを感じるアドベンチャーを楽しめると思います。
瞬間的な判断や、選んだ選択肢で物語が変化していく実感が大きいので、アドベンチャーゲームとしての面白さがしっかりと詰まっています。
ただひとつ注意点があるとすれば、物語が「シーズン2」へと続いていくので、区切りはいいもののきれいに完結はしていません。
わたしはバイオレンス耐性がなかったので、絵画風のタッチとは言えきつい部分が多かったですねぇ。しかし、八方美人が通用せず自分の生き方を明確に示していく必要があるゲーム性と、絶望的な世界の中での少女クレメンタインとの絆を描いたストーリーは非常に魅力的でした!
くぅ…、わたしに耐性があれば続編もプレイしたかったんですが…。残念!