アリアのウィンターフェルへの帰郷は素晴らしかった。だが、ブランによってアリアの“リスト”が本物であることを知らされ、稽古でブライエニーをほとんどやっつけてしまったのを見た後、サンサはアリアについてどう思っているのだろうか? 彼女はひどく動揺しているようだった。

地下墓地での再会シーンは、少し淡々としているように感じた。スターク家が次々と再会するようになった今、ジョンとサンサが去年〈壁〉で再会したときほどの強い感情を呼び起こすのは難しい(彼らはあまり親しくなかったことを考えると、ちょっと奇妙な感じもする)。ブランの状態が問題となり、ブランと再会する前に、サンサがアリアに弟の状況を説明しなければならなかったのは良かった。

サンサはアリアを恐れているのだろうか? 戦争を生き延びただけでなく、無敵の戦士となって帰ってきた妹に対して密かに怒りを覚えているのだろうか? 両者ともお互いが違う道を辿り、全く異なる苦難を乗り換えてきたことを理解している。しかし、サンサはアリアが生き残った方法に満足していないのだろうか? リトルフィンガーは何をしているのか。なぜブランに短剣を渡したのか? 少なくともサンサは、彼が何かを企んでいることに気がついている。

ウィンターフェルには確実にミステリーの要素があるが、ブランが都合よく真実を見通して問題が解決するなんていう展開にならなければ良いと思う。彼はすっかりキテレツなキャラクターとなってしまっており、彼を物語を動かす便利な良い道具として扱わずにいるのは難しい。物語の展開に合わせてある秘密を明かし、ある時には情報を明かさないでおく、といった具合に。

ブランの命を狙ったのは、リトルフィンガーだと見て良さそうだ(原作では違う展開が示唆されているが)。なぜなら彼は (1)全ての陰謀の影にいて、(2)ブランに「この短剣が戦争の発端になった」と告げるからだ。さらにリトルフィンガーはジョン・アリンを殺しており(正確には“殺させた”、だが)、ウェスタロスを混乱に叩き込んだもう一つの出来事に関わっていないと考える理由はない。

全体として、我々は未だにサンサの物語がどう進んでいるのかわかっていない。彼女の家族はサンサがリトルフィンガーと縁を切ることに繋がるのだろうか?それとも全く逆になるのか。現時点では、彼女は近寄り難いタイプの指導者になっているようだ。あの門番たちは最終的にはアリアが消えたことをサンサに告げたが、どちらも彼女に話しかけたくないようだった。

そもそもウィンターフェルの門を護衛している奴らは何者なのか? ウィンターフェルにふさわしい人間のようには見えなかった。サンサが門番に的確な人材を配置できないほど、支配を固めていないとは考えたくない。もしかしたらサンサはブランとアリアがどれくらい変貌したかを見て、動揺していたのかもしれない。ジョン・スノウとは交流したかもしれないが、彼は完全に豹変したわけではない(戦闘能力と指導力が上がり、死んで生き返ったことを除けば)。彼は相変わらず他人を無視して1人で考え込むクセがある。

最後になるが、サーセイとマーク・ゲイティス演じる銀行家は、「The Golden Company」について話していた。「ゲーム・オブ・スローンズ」の世界では理由もなく何かに言及したりはしないので、これはサーセイの奥の手になるのかもしれない。彼女は3匹のドラゴンを持っていない女王としてはかなり上手くやっていたが、彼女の荷馬車が焼き尽くされた今、新たな切り札が必要になる。「The Golden Company」はこれまでにも、ところどころで言及されており、彼らがラニスター家に残された最後の希望になるのかもしれない。