豊富なコンテンツとイベントイラスト
MMORPGらしさを演出したゲームシステム
新シリーズとして確立されたオリジナルストーリー
ゲームシステムに対して説明不足が目立つ
普通のRPGに比べて冗長気味でテンポが悪い
コンシューマー版SAOシリーズ 第4弾「ソードアート・オンライン -ホロウ・リアリゼーション-」をクリアしました。
原作未登場の新たなVRMMORPG「ソードアート・オリジン」の世界を舞台とした本作。これまでに発売された3作品の続編という位置付けに加えて、プログレッシブからキズメルが参戦するなど、楽しむために必要な予備知識は多いものの、それに見合うだけの魅力的なストーリーが用意されています。
ゲームシステム面も「ホロウ・フラグメント」をベースに大幅な改良が行われており、面白さを損なわない範囲で、MMORPGを遊んでいるという疑似体験を楽しめる作品でした。
既存シリーズプレイ推奨の完全オリジナルストーリー
原作には登場しないVRMMORPG「ソードアート・オリジン」を舞台にしているだけでなく、既存シリーズの続編と言うこともあって、本作からゲーム版を始めるのは、少しハードルが高いと感じました。「アインクラッド編」を100階層までクリアしているIF展開に加えて、ゲーム版オリジナルキャラクターも多数登場するため、完ぺきに楽しむなら既存シリーズのプレイは必須とも言える内容です。
もちろん、ストーリーには必要な予備知識に見合うだけの魅力を持っています。NPCにとってのデスゲーム仕様やアインクラッド創世にまつわるクエストなど、アインクラッド編の更なるIF展開に加え、様々なオリジナル要素を組み入れたストーリーはイチ押しの内容です。
なお、4作目ではありますが「-Re:ホロウ・フラグメント-」が1作目と2作目を併せた作品となっているため、こちらを1本プレイするだけでメインストーリーに必要な予備知識の大半を得ることができます。「ロスト・ソング」のオリジナルキャラクターも登場しますが、メインストーリーではボイスのみなので、無理にプレイする必要はありません。
豊富に用意されたコミュニケーション要素とADVイベント
メインストーリー以外にも様々なイベントやシステムが盛り込まれており、寄り道を始めると時間がいくらあっても足りません。コミュニケーション要素は大きく分けて2種類。1つはキリトと他プレイヤーやNPCの交流によって発生する物。もう1つはADVイベントとして発生する物です。
他プレイヤーとの交流では、個別に友好ランクが設定されており、親しくなることでパーティーを組むことや、特別な会話Wを行うことができます。男女やAIを問わず、ほぼ全てのキャラクターと関係を築くことが可能で、一部のキャラクターは条件を満たすと、特別なイラストを閲覧可能です。
クエスト形式で発生するADVイベントは、キリト以外のキャラクターが複数人登場して、キャラクター同士の掛け合いを楽しめます。原作では見られないような組合せも多く、イラストも用意されたリッチなイベントです。なお、イベントイラストはメインストーリー以外でも50枚以上用意されており、コンプリートを目指すなら、かなりのボリュームになっています。
MMORPGらしさをうまく演出した各種ゲームシステム
MMORPGを舞台にしている作品らしく、ゲームシステムやバランスは、かなりMMORPGに準拠した仕様になっています。前作「ホロウ・フラグメント」では、MMORPGらしさにこだわりすぎて、面白さが損なわれていると感じた部分も多かったですが、今作ではうまく調整されていた印象です。普通のRPGに比べると、どうしても煩わしい部分や説明不足は否めないものの、ストレスと言うほどではなく、コンセプトとして活きています。
主人公をキリトにこだわらなければ、キャラクターメイクで容姿を自由に変更可能。オンラインに接続してマルチプレイを始めれば、本当にオンラインゲームになるといった機能も継承されているため、シリーズを積み重ねていくごとに進化しているという印象を持ちました。
無料大型アップデートやDLCなど長く遊べるコンテンツ
前作同様、発売後も大型アップデートや有料・無料DLCを予定。特に、大型アップデートは「ロスト・ソング」のオリジナルキャラクターが登場する大ボリュームと予告されており、既存のメインストーリーに並ぶ大型コンテンツです。有料ではあるものの、新エピソードの追加も発表されており、マルチプレイと併せれば、かなり長く楽しめるコンテンツになっています。